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【カウンセリングの効果】どのようにして解決に至るのか

カウンセリング(counseling)は比較的健康度が高い人を対象とする。心理療法(psychotherapy)は病理的な人を対象にする。という違いがありますが、境界線が明確ではなく重なり合っています。日本では、カウンセリングと心理療法は、ほとんど同じ意味で使われています。このホームページでも「カウンセリング=心理療法」という使い方をしています。

カウンセリング(または心理療法)に効果はあるの?

カウンセリングに効果があることは研究によって示されています。カウンセリング(または心理療法、以下省略)には300を越える学派があると言われています。「どの学派が最も効果的なのか?」。※クライエントはもちろん、カウンセリングを学ぶ人にとっても気になることでしょう。

※クライエント=カウンセリングを受ける人

カウンセリングの効果研究による結論から言うと、「どのカウンセリングも同じくらい効果がある」となります。研究の結果によると、学派の違いに関係なく、効果があったカウンセリングには、以下の要因が共通して見られました。

  • クライエントとカウンセラーの治療同盟が築かれている
  • カウンセラーの力量が十分である
  • カウンセラーがクライエントからのフィードバック得ている
  • カウンセラー要因(共感などカウンセラーの態度など)
  • クライエントのカウンセリング手法の納得
  • クライエントのカウンセリングへの期待
  • クライエント要因(環境や資質)
  • 心理療法の違いによる差はない

参考文献:On Becoming a Better Therapist: Evidence-Based Practice One Client at a Time. 2014. Barry L. Duncan

心理療法の違いによる差はないということですから、カウンセリング機関を選ぶ際には、そこで行われている心理療法の理論や手法が自分にしっくりくるか、そのカウンセラーのカウンセリングを受けてみたいと思えるか、という感覚を基準にすれば良いかもしれません。

【解決とは】悩みが解決するとき

解決というと、問題そのものが解決すること、と考えるのが普通でしょう。しかし、試験に不合格だった場合など、今となっては解決や対処の方法がないことがあります。そのような場合、解決はどこにあるのでしょう。

結果や状況を変えようがないときの問題とは、不安や怒りなど苦痛を伴う思考や感情が、受け止められる大きさを超えているときです。この場合の解決とは、苦痛がなくなること、または苦痛が軽減されたときといえます。

「聴いてもらうだけでは解決しない」は、カウンセリングに対する不満としてよく言われる言葉です。その言葉は、正しい場合もあれば、正しくない場合もあります。

「聴いてもらって、スッキリしました!」と笑顔でお帰りになるクライエントは少なくありません。結果や状況が変わらないにも関わらずです。これも一つの解決の姿です。

スッキリする要因はいくつかあります。

誰にも打ち明けることができずに一人で抱えていることを話すのは、抱えていた荷物を一旦降ろすことによって、疲れた心を休憩させるようなものです。それでエネルギーを取り戻しす方もいらっしゃいます。これも解決と言えるでしょう。

それは根本的な解決ではないと言う人もいらっしゃるでしょう。その人にとっては、単なるスッキリは解決になりえないでしょう。一方で、立ち向かう元気が戻ることで解決と感じる方もいらっしゃいます。解決の形を決めるのは、カウンセラーではなくクライエントです。クライエントの数だけ解決の形があると言えます。

不安が新たな不安を呼び、不安のサイズが大きくなることがあります。以下のようなパターンです。

「リストラの噂がある」→「自分が対象になったら」→「生活が苦しくなる」→「夫・父としての信頼を失う」→(更なる不安の喚起)

最初のリストラさえ事実がどうかもわからないのに、次々に新たな不安が出てきて大きくなり、現実と思考の区別がつかなくなり、不安に翻弄されます。話を聴いてもらうことにより、頭の中が整理されて、不安が現実大になり、落ち着きを取り戻しやすくなります。

聴いてもらうことによって、状況や思考を少し距離を置いて見ることができます。距離を置いてみるだけで、膨張した不安が現実大に治まることがあります。対処方法に気づきやすくなったり、過去に対処にした類似の状況に気づくこともあります。

悩みの解決とは、(A)問題そのもの解決、(B)苦痛を伴う思考や感情の軽減・消失の2つと言えます。(A)が達成されると、同時に(B)も達成されるでしょう。(A)を目標に来談したけれど、(B)だけで十分と感じて終了することも珍しくありません。

どのようなプロセスを経て解決に至るのか

先に紹介した通り、カウンセリングには300を超える学派があると言われています。学派によって解決に至るプロセスは異なります。当カウンセリングルームでは、次のようなプロセスを経て解決に至ることが多いです。

(1)困っていることに耳を傾ける

困りごとをお聴きすることから始まります。状況や出来事だけではなく、そのときどのように考え、どのように感じていたのかなど、クライエントご自身の考えや価値観の理解と共感を大切にしています。いわゆる傾聴です。

しっかり傾聴してもらうことによって、「聴いてもらって、スッキリしました!」とエネルギーが回復する方もいらっしゃします。「もう、大丈夫です」と終了される方もいらっしゃいます。

(2)目標を設定する

困りごとを一通りお聴きしたら、次は目標をお聴きします。カウンセリングを通して実現させたいことですね。悩みごとは言葉にできても、どうなりたいかを具体的な言葉で表現できる人は案外少ないものです。言葉にできても抽象的で漠然としていることが多いです。

目標設定の過程で、問題に当てられていた焦点が解決に移ります。解決の過程が進み出したと言えます。逆に困りごとの話に戻ることもあります。(1)と(2)を行ったり来たりしながら進むこともあります。

(3)解決に向かう

現在地とゴールの差をどのように埋めていくかを一緒に考えて、クライエントは日常生活で試すなどします。それを繰り返しながらゴールへ向かいます。

常に上記の順番で進んで行くわけではありません。行ったり来たりしながら進むことが多いです。中長期的な目標と、そこへたどり着くための短期的な目標を設定して、短期的な目標達成を積み重ねながら、中長期的な目標達成に向かいます。

あくまで一つのモデルです。すべてのカウンセリング機関が同じことを行っているわけではありません。

先に述べたことの繰り返しになりますが、心理療法の違いによる効果の差はありません。カウンセリング機関を選ぶ際には、そこで行われている心理療法の理論や手法が自分にしっくりくるか、そのカウンセラーのカウンセリングを受けてみたいと思えるか、という感覚を基準にすれば良いかもしれません。

カテゴリー:コラム
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投稿日:2018.11.04
更新日:2018.11.04

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