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挫折

挫折
家族の練習問題 喜怒哀楽を配合して共に生きる (講談社プラスアルファ文庫)団 士郎 (著)より

 

<幼稚園>

「先生が目の前にいるのにオルガンが聞こえてくるねん」

「なんでやろ?と思ってオルガンのほうを見ると、まさとが弾いてるねん」

「『先生に教えてもらったん?』って聞いたら、先生が弾いた音を覚えて、自分で探して弾いてるねんて」

「周りのお母さんたちから『ピアノ習ってるんでしょ』と言われて、『習ってへんよ』って言ったら驚かれるねん」

よく妻がうれしそうに言ってた。

 

<小学生>

「ぼく、いつからピアノ習うの?」

折に触れて言われた。

正直なところ習い事をさせるのはきつかった。

月謝に加えてピアノも買わなあかんし。。。

2年生の夏頃、熱意に負けて習わせることにした。

 

「親なら、習い事させるのにカネがないなんて子どもに言うな」

「親なら、子どもにカネの心配をさせるな、悟られるな」

家族療法の先生がおっしゃった。

胸にグサリと突き刺さった。

 

よく息子を怒鳴っていた。

叱って育てる?

いや、そうじゃない。

抱えて続けているストレスを息子に投影して、息子にぶつけていた。

年齢と見かけは大人でも、中身は子どもの未熟すぎる親。

この後悔は一生ぬぐえないと思う。

 

<中学生>

地元の中学は吹奏楽部が優秀なことで知られている。

定期演奏会は毎年盛況。1000人のホールに入りきれず立見が出る。

入学式で流れる音楽はすべて吹奏楽部の演奏だった。

すばらしい演奏に感動した。

 

息子は当然、吹奏楽部に入部するものと思っていた。

入部届を提出する日の朝、白々しく聞いた。

「何部にすんの?」

 

「陸上部」

 

「はあ???」

私と妻は困惑。

 

理由を聞くと、

「習い事と吹奏楽部を両立させるのは難しいと顧問の先生に言われた」

 

私と妻は説得する。

「とりあずやってみて、あかんかったらどうするか考えたらええやん」

 

割と簡単に説得成功。

親のファインプレー・・・だったはず。

 

パートはバストロンボーン。

「これからこづかいなしでいいので楽器買って下さい」

と頼まれたのは2年生の秋。

 

そこまで言われたら拒めません。。。

分割で買いました。

 

3年生の夏。

同部初の全日本吹奏楽コンクール出場を決める。

その時の記事:asahi.com(朝日新聞社):チームワークと集中力、感動を自分に客席に 関西代表・豊中第十一中吹奏楽 – 教育

舞台に上がれるのは100名近い部員のうち50名。

今は知らないけど、あの年は3年生が優先的にメンバーに選ばれた。

全国の舞台に上がる幸運に恵まれる。

 

確か息子の学校は、本番の前日に東京入りしたのかな。

当日は5時に起床して練習する予定になってたそう。

息子は寝坊。

めちゃくちゃ怒られたらしい。。。

 

結果は銀賞。

全国の舞台に上がってくれただけで大満足(当時書いた日記:成長曲線

 

ちなみに、後輩たちは翌年も全国に出場。

銀賞。

そして、翌々年も全国へ。

ついに金賞。

昨年は名誉の3出休み。

 

そして今年。

3年生の長女はパーカッション。

2年生の次女はコントラバス。

全国出場をかけて今月、関西大会に挑む。

 

たまたま地元中学の吹奏楽部が優秀で。

たまたま子どもたちが吹奏楽部に入部して。

全国バンドになったタイミングで子どもたちが在籍。

何とも幸運な巡り合わせ。

 

感謝

m(_ _)m

 

本題に戻して。

コンクールが終われば引退。そして受験。

 

「大阪桐蔭の吹奏楽部に行きたい」

 

「はあ???」

(私立は勘弁してよ。。。)

(○○高校行ける学力あるのに何で?)

 

彼の頭に他の選択肢はなかった。

 

結果、素晴らしい3年間を楽しませてもらった。

 

<高校生>

1年生とはいえ、中学では全国バンドのメンバー。

父はコンクールメンバー入りを大いに期待。

 

保護者会で顧問の先生が言った。

「メンバー選考の時期に親の期待がプレッシャーになって憂うつになる生徒がいる」

「あまりプレッシャーをかけないでほしい」

 

ワシ、そのままやん。

息子のためじゃなくて自分のため。

親の夢を託されてイヤやったやろな。

 

メンバー入りならず。

本人はあまり失望してなかった様子。

毎日一緒に練習してるから現実を知ってるわな。

 

1年生の終わりの頃。

「この夏、初の海外遠征を行います」

「ウィーンのオペラ座で公演します」

と顧問。

 

おーい、聞いてないよ。

 

「日本の高校生がオペラ座で単独公演を行うのは初めてです」

 

いや、初めてとか、そういう話じゃなくて。。。

 

もちろん、参加は強制ではなく任意。

しかし、私が知った時点で、息子の頭は既にウィーンに行ってた。。。

 

終わってみれば、いい経験をさせることができて良かったなと。

こんな(同郷の若き才能たち|こころの音色)のを見ると、うれしくて、じ〜んとくるわ。

 

中学は座奏のみだったが、大阪桐蔭はマーチングにも力を入れている。

この年、コンクールは3出休み。ほぼ全部員がマーチングコンテストに出場。

約180名のド迫力のマーチング。全国金賞獲得。

 

2年生の後半になると進学の話題が出てくる。

彼は入学時から東京芸術大学を目指すと公言。

同じ目標を持つ同級生は少なからずいて、一緒に夢を膨らませてたよう。

2年生になって京都市立芸術大学に目標を変えた模様。

 

東京芸大は芸術系の東大、京都芸大は京大のような存在。

それでも合格した先輩はいる。

ただし、彼らは野球で言うと、1年生からエースか4番を勤める抜けた存在。

 

顧問は基本的に音大進学を勧めない。

どちらかというと、やめる方向で説得する。

難関であることに加えて、難関を突破しても就職が難しいのが理由のよう。

苦労させたくないんやろね。親心みたいなものだと思う。

 

私は、仕事なんてどうにでもなる。行きたいところへ行けばいいという考え。

だけど、押しつけになっても、と思って何も言わなかった。

 

息子は先生の説得にも関わらず、芸大を目指して個人レッスンを受け始めた。

頼もしいな、と思った。

 

ところが、2月頃から個人レッスンに行かなくなっていた。

芸大の話題も出なくなった。

 

何があったんやろ。

個人レッスンをやらないことは、芸大受験をやめることを意味する。

家庭で進路の話は何となくタブーのようになった。

 

おそらく先生と約束していたのだろうと後に気づいた。

2月のソロコンテストで、全国もしくは関西出場を果たせば芸大を目指す。

ダメなら進路を変更する。

聞いたわけじゃないけどそんなところだろうと思う。

結果は大阪大会のカラ金。

 

おそらく、彼の人生で初めての挫折だったと思う。

 

3年生。

コンクール3出明け。「笑ってコラえて!」の取材も決まった。

息子は毎日5時半に起きて朝練に参加している。

当然、メンバー入りを目指しているものと思ってた。

先生からも(コンクールメンバー選考の学内)オーディションを受けてと言われてたよう。

 

オーディションが始まる頃に聞いてみると、「コンクールには出ない」と言う。

先生も「オーディション出ろよと言ったら、『いいですわ』って言うんですよ」と言ってた。

 

残念だった。

高校でもコンクールの舞台に立つのを楽しみにしていた。

でも、仕方ない。本人の意志だから。

 

しかし、何で辞退するんやろ?

芸大をあきらめさせられた当てつけ?

なんて思ったりもしたけど、相変わらず朝練は毎日行ってる。

音楽へのモチベーションが下がったわけではなさそう。

 

楽譜の手配など裏方仕事にやりがいを感じてたらしい。

その仕事ぶりが認められたのか、新年度から吹奏楽部でアルバイトさせてもらってる。

大学は音楽に関わる仕事に就くことを考えて決めたよう。

 

先生が入院するトラブルがありながらもコンクールの全国出場を決める。

 

全国大会まで約2週間と迫ったある日、

急遽メンバーの入れ替えが行われ、

息子がメンバー入りすることになった。

 

もちろん、うれしかった。

でも、複雑な気持ちだった。

 

息子と交代する子はガッカリしてるだろう。

何より、親が落胆してるだろうと想像するとつらかった。

 

でも、やっぱりうれしかった。

 

大学は推薦で志望校に決まった。

学部は違うが私の後輩。

 

3年間1日も休まず。しかも高校生活後半は毎日朝練参加。

成績はオール5で締めくくった。

大した奴だ。

2月の卒業公演は泣いた。

 

卒業後しばらく、喪失感に包まれた。

素晴らしい3年間だっただけに、頭が切り替わるまで少し時間がかかった。

 

過日、こんな文章に出会った。

 

メジャーリーグで活躍する

松坂やイチローの

両親のような

親になれるのは

ホンの一握りである。

 

たいていの親は

子どもが

才能や運の

限界を知って

挫折するのを

見ることになる。

 

多分それが

親の仕事なのだろう。

 

そして、

そこから始まる人生に、

また夢や希望を持つ力を

育てておいてやるもの

親の仕事だろう。

 

家族の練習問題 喜怒哀楽を配合して共に生きる (講談社プラスアルファ文庫)団 士郎 (著)より引用

 

彼が芸大をあきらめたであろうときの心に思いを馳せ、

親の仕事をできたのか?と自問自答すると、

こみ上げてくるものがった。

 

ずっと、息子との関わりを整理してみたいと思ってて、

いざやろうと思うと億劫になって、

上の文章に出会って「よし!やろう!」と思って、

それでもズルズル今日まできて。

おそらく、親との関係など色々な要素を含む、継続して取り組まなければならないテーマなんだと思う。

カテゴリー:日々雑感(ブログ)
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投稿日:2014.08.12
更新日:2014.08.13

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